マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書
大嶋 祥誉
ソフトバンククリエイティブ
2013-04-27

こんにちは。

前の失った自信その3において、剪定はランダムに行われる事があるケースを書きました。
あなたが、そのランダムに入った剪定かどうかは、わたしにはわかりませんが、少なくとも、剪定(リストラ)は、企業の力を再生する為にあります。

しかし、剪定しすぎて、残った人間の力で復活をする事ができず、結局衰えてしまう企業も割と多くあります。
金さえ払えば、きつい仕事をやるだろうとタカをくくった企業には、結局は忠誠心の厚い人は集まらず、かといって、合理的なゴールを目指している企業には、そのスピード感とゲーム感覚が楽しいと思える人のみが残っていきます。
両者とも、どちらもブラック企業と呼ばれる職場です。

そこで、合理的なゴールを目指している職場のときには、結果を出す事がすべてとなるので、社一丸となって結果を叩き出し続けるという目標を掲げたがります。

人間、体調はいつも同じではなく、風邪を引いたり、季節で何かどこかが痛くなったり、色々するのですが、こういう合理的なゴールを目指して、スピード感で勝負しようと思える会社は、基本的に、いつも「同じコンディションを保てる」人のみしか、残る事ができません。

その為に、体型を鍛え、メンタルを強化し、オフにはゆっくり休み、色々緊張をほぐす手段を考えるのがこういう人ですが、中には、結果重視にとらわれてしまい、結果が出せない自分に悩んで、そして脱落していく人もいます。
世の中、適材適所とは良く言ったもので、結局は、就職もその会社がどういう会社なのか見極め、ゆったりまったりなのか、それとも、スピード感重視で進んでいくのか、見極めていかなくてはなりません。
スピード感重視の企業は、基本的にお給料の支払いはいいのですが、結果が出せなくなった途端、周りからはあっと言う間に「疎外感」を感じてメンタルに響くくらいきつい仕事です。こんな仕事だと向かない人は、初めから知名度だけでその会社の採用試験に向かうのは、無謀なのではないかと思います。

最近のベンチャービジネスも、若者独自のスピード感でどんどん才覚を伸ばす傾向がありますが、えてして勤務した経験のある人はメンタルを患う傾向があります。

欧米でも、いい大学を卒業した後、取り敢えず金融コンサルタントになる癖がありますが、あれは、期間限定で働けば、手っとり早く「まとまった金が入る」からその仕事に就くのです。その仕事で長い事やろうと思う人は少ないと思います。少なくとも、24時間思考し続け、眠っても考え続ける性質が好まれるので、大変に彼らは、金の為に、ストイックです。

あなたは、いい大学を出て、大学を卒業した後どうしたら良いか考えるのであれば、できるなら、あなたの性格にあった勤務スピードの会社が一番向いていると思います。
しかし、それ以上に、不向きであろうと、他人を誹謗し貶めて、なんとかその場所に居すわろうとする、狡猾な人間もいます。こういう人間は、聞こえないふりをしたり、色々と行う事は姑息ですが、あなたが、こういう人の椅子を蹴飛ばして追い出し続ける様な、ブルトーザーのような性格だと、どこにも、元々採用されません。

狡猾な人間とも仲良くやれるかどうかを、企業は見ているので、無理だと思ったら、あまり執着しないで、何か別を探すか、別部署の移動を願うなどが一番いいのではないかと思います。

メンタルの病に陥ると、割と攻撃的になるか、自虐的になるかのどちらかになると思います。

攻撃性の強い人は、優秀であろうとなかろうと、職場を乱すので嫌われますし、自虐的な人は、それはそれで、「声をかけてもらえなかった」とか、「今日は誰も挨拶してくれなかった」等、割とネガティブに走り、愚痴のパレードになるので、好まれる事が少ないです。

できれば、「職場はお金を得る労働に行く場所」と割り切って、割り切れない何かを、ご自身の心の中から捨てていただきたいと思います。どんな職場にも理不尽があります。

しかし、狡猾で無能な人ばかりが、結局は企業に残ってしまうと、企業は企業でかなり低迷していきます。

ですから、これもある意味、短いスパンで企業を見るのか、長いスパンで見るのか、そこが大事だと思います。職歴だけ華麗でも、転職歴が多いと嫌われます。長くじっくり続けるには、あなたにあった場所を見つけていく方がいいのだと思います。

よく、パートさんで、契約社員への声がけがあり、その後正社員になる人がいます。

これは、同じパートとしてうらやましい成功モデルですね。わたしも、昔の同僚にそういう人がいました。調和を乱すタイプなのですが、その癖、上司の懐に飛び込みやすい。そんな人でした。その後、正社員になったその人は、海外転勤となり、その後、その企業自体が吸収合併にあいます。
その人は、今度は、その時の上司たちと一緒に始めた仕事がありまして、現在、経営陣ではありませんが、技術関係では頂点にいます。

その人と、わたしが、恐らく20年経って、全く違う仕事でも、同じ分野に携わり、再度出会うとは思いませんでした。

わたしは、わたしの数奇な職歴をなんとも思いませんし、それでできたことがあると思っています。相手も恐らく、ご自身をそうだと思っていると思います。でも、どちらが社会的に成功者かどうかは、きっと、本人の心が決める事なのだと思うのです。

剪定しすぎて枯れる企業もありますが、あなたが行う事は、今のあなたに対してベストを尽くし続ける事。それだと思うのですよ。あなたの感情だけが先走らない様に、でも、あなたの身体精神管理は必要だと思います。

い続けたいと願った職場が、いつか消えるかもしれないという不安は、今の日本において、何らおかしくない「スタンダード」なのですから。




ちなみに、「同じコンディション」で勤務をし続ける会社には、基本的に、人間の「情」が欠落した人が多いです。
マッキンゼー
ダフ・マクドナルド
ダイヤモンド社
2013-12-16