ヒュッテは夜嗤う 山の霊異記 (幽BOOKS)
安曇潤平
メディアファクトリー
2013-05-31

おはようございます。

先程まで寝てた。いや、普通は夜中三時半過ぎは、誰でも寝ている時刻である。

 

突然、気配がした。

 

ふっと、目を開けてなんだろうとふとんに潜っていたら、宿の別室から、いきなり電子音が鳴りだした。

 

音階は、おじいさんの古時計の曲の、今はもう、動かない(ここ溜めて)おじいさんの時計と調べを奏でた。

 

動いている電子機器は、全て山小屋の一室に集めてから寝た。携帯の着信音ではない。他の部屋の家電はみんな電気コードを抜いたはず。

あっちでひとり鳴るものはない、と断言できる。

じゃ、何が鳴っているんだろう。

長男は、電子音を聞いて起きてこう言った。

お母さん、メール来ているんじゃない?

息子はまた、寝返りを打って寝た。

 

いや、ひとり取り残されて自室で思うことは、何も動く電化製品がないこと。というより、フレーズの妙な溜め感に違和感を覚えた。機械的ではない妙な溜め感に、うすら寒い恐怖を覚えた。

ひとしきり、布団で考えたが、かなり怖いので、見に行くこととした。

やはり、電化製品は動いていない。そもそも、山小屋なので、寝る前に電化製品を切ってくれとたのまれていたし、確認しても、コードがぬけている。

 

これに、似た現象には出会った事があるし、あの時もうすら寒い恐怖を覚えた。

昨日は、感じでしか分からなかった山ノ神。

 

アラームが鳴って一時間したら空が明けてきた。

 

 

ちなみに、山小屋には時計がない。

 

嫌だ(涙)こういう地味な怖さは。

だから、お盆に泊まるところがなくて、やまごやをチョイスせねばならなかった時、家訓を思い出したのだ。

 

実母は言う。山小屋はそういうものなのです。

 

 

あれは、昭和の出来事かと思ってましたよ。お母さん。

 

 

PS:家訓についてお問い合わせがありました。家訓はこちらをどうぞ。リンク先参照 まさに、冷え冷えする家訓です(大号泣)。