10年後に食える仕事、食えない仕事
渡邉 正裕
東洋経済新報社
2012-02-03(既に書評としては古いので、左脳では別途新しい記事として書き直しています)

こんにちは。


本の執筆者さんが当ブログをご覧になり幾つかツイートしてくださったので、ツイートを見てしまうとネタばれになるのですが、占い師、霊能者 は、今後生き残っていくかどうかというところに迫りたいと思います。


占い師や霊能者というのは、どちらも根本的に、「心理カウンセラー」的な面を求められます。きちんと学問として学び取っていないひとは、対応とし て未熟な面が出てくるかと思います。ですが、反対に、電話占いなどの業務は、ホステスさんの「昼間の稼ぎ」だったり、外見が通用しなくなった方々の稼ぎ場 であったりするところもあります。彼女らは話術巧みで、人をおだてて、上手にあしらいます。


わたしも若い頃好きでしたね。電話占い。仕事してて夜遅くまで残業して、電話占いしている暇がないと思うのですが、心の中は不満で一杯でした。現在の職について聞きたいことは沢山あり、できれば、いつあの目障りな人が辞めてくれるかなど聞くのも好きでした。

一回でも、読みが当たれば、そこへ傾倒していき、よく考えると、一回か二回、当たるのは友人同士でも当たるので、そこまで翻弄される理由はなかったのですが、「上司とうまく行かない」とか「上司が恐らく飛ばされる」等で当たろうもんなら、凄かったです。

よくよく考えれば、自分で占ったほうが、金も命中度も高かったのですけれど。


その話術の巧みさに、思わず、お金をドンドンつぎ込んでしまう人がいます。相手にまた来たいと思うテクニックとしては、日本語の ニュアンスとして、「あいまい」なニュアンスを含み、相手に誤解を設けさせる話し方をすると必ず、次回の相談へと続きます。まして、夜のお姉さんの彼女達には実践の場で培ってきた海千山千の話術のノウハウがあります。

話術の巧みさという技術は、簡単に日本語を習っただけの外国人や、普通の日本人には身につきません。

故に、こういう仕事は、ジャパンプレミアムとして日本人でなくてはならない仕事となるのです。


営業も、販売業も、弁護士、社労士、会計士、医者も、最近は、話術だけではなく、クレームにならない話し方を心がけるようになりました。時々企業に電話すると、「この電話は録音されています」という音声が聞こえることもあります。特に、クレーマーとなる人の存在が大きくなってきたので、これらをうまく収める人がいないと、時として稚拙な商売っ気は、炎上商法へと導かれます。


最近の占い師や霊能者候補達は通信で「心理学を学んでくる人たちが圧倒的に多い」です。

つまり、霊能者に師事するより、ノウハウとして確固で磐石なソースとして、心理学のほうが勝っているということとなります。ただ、問題がありまして、単なるカウンセラーになるのであれば、認定心理士だけでも十分なのです。

でも、元々心理学は、実は、全て横の繋がりでできています。心理学を学んで、学んだ時の友人達の情報や、恩師に対して、色々な情報ラインを構築しなければ、一生懸命に臨床心理士になったところで仕事はありません。臨床心理だけではなく、心理学に係る色々なことも、やはり横のつながりが非常に大事になります。この繋がりを得られやすいのは、日本人ならではです。価値観が一緒だったりしますしね。

昨今は医療従事者も心理学を学びます。つまり、既に医療系の職を持った人が、心理学を学ぶというケースが増えてきています。


個人が開業するには、きちんとした成果が出せなくては、誰の口コミにも乗りません。成果はおいおい出していくとして・・・ となると、既存の夜の仕事で、「話術、人あしらいのよさ」を実体験として実践してきたホステスさんたちに、普通の主婦が手軽なバイト感覚で立ち向かおう としても、敵わないわけです。超成果主義です。この人ならという信頼感が得られなければ顧客はつきません。

日本人でなければならない仕事で、日本人独特の空気が読める存在としての仕事ですから、ある程度の顧客を持った場合には、報酬は確かに青天井にな ると思われます。仕事として長いことやっていけると思います。

ですが、情けないコトに、ほとんどの占い師は、現状の知識だけで十分だと思っている面があり ます。新しい時事問題を、社会的な視野でどう考えるか、人道的にどう考えるか、表現が拙いひとは、拙いなりの思考能力しか働きません。


そうなのよねぇ、仕方ないのよねぇ。そういう相槌だけで、長いこと、職にありつける人は殆どいません。


ブラッシュアップのためと称して色々な占い師を尋ねて歩き、色々なノウハウを盗み見て展開する人もいますが、理解が納得に結びつかなければ、下手な盗みは休むに似たりです。自身で、自身なりに、伸びていく策をあれこれ高じなければならないです。

ティーンエイジャー向けの星占いは、ティーンを越えたころ、その占いの稚拙さに飽きてしまい、卒業してしまいます。ですが、また新たな、ティーンエイジャーがお客としてくるわけですから、これはある意味で、客層を増やそうと思わなければ、それなりに長く続く職になります。

年代向けにはありとあらゆるものが出てもいいでしょう。お受験を煽る占い師、大学受験を煽る占い師、または、更年期を相手にしてくれる占い師。どんなもんが出るのかは、ちょっと怖いですけれどね。


カリスマ占い師、カリスマ宗教家には、昨今求められているのは、言うだけ説法に基づく「体型」「雰囲気」「ただモノじゃない感」です。あとは、容姿が端麗ではないこと。

容姿があまりに端麗すぎると、人はやはりこの人には追いつけないのだという絶対的なコンプレックスを感じます。勿論ですが、こういう人が講演だけやっている、本だけ書いているのであれば、勿論儲かります。

ですが、適度に容姿が残念であると、 人はそれをフレンドリーに受け取ります。今まで、カルト宗教家の容姿について、不自然に思われる人もいたと思いますが、ある程度残念である容姿の方が、顧客の中に「不謹慎な」油断が出来て、伸びはよくなります。

反対に、アロマやエステサロンに関しては、容姿が端麗であればある程、通えば、その人のような美に追いつけるのだなと思われることがありますから、容姿端麗であることが好ましいです。

アロマなどが流行で、一級検定を受ける人が多くなりました。受かった方々には、清潔感のない人も若干いましたが、殆どの方々は、容姿端麗で、整形でもしたのかしらと思うような美しさがありました。

美容師さんも、日本人であればある程強みがあります。理由は、業界の知識が増えるからです。

 

以上、ジャパンプレミアムの職だけれど、それでも業界に居残ることははるかに難しいという話を致しました。

 


アロマ入門セット1級A&テキスト1級 アロマセラピー検定1級対応  【アロマ検定】
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誰も教えてくれない「占い師」の始め方・儲け方
李 水明
ぱる出版
2004-04(さぁ、弟子入りしても儲けやすい占い師のなり方なんて、師匠は教えませんからね)。