直感力 (PHP新書)
羽生 善治
PHP研究所
2012-10-16

こんにちは。

直感にて、大きな災害や大きな事故を回避した等、色々な事象があなたに起きたとします。あなたの心理状態は、尋常ではなく、心が大きく騒ぎだします。
似たような状況が起きるたびに、あなたの心理は、強迫概念に近くなってきます。
こんな夢を見たから、こんなことしなくちゃ、あんな信号を見たから、あんなことをしなくちゃ。そう思うと、あなたの心は焦燥感で一杯になり、何をしていいかわからないけれど、取り急ぎ、騒ぎたい・不安な心理を誰かに吐露したい思いで一杯になると思います。

わたしは、かつて、直感にて主人の命を救ったことや、家を購入したこと、他には、自身が死ぬことがあると分かっていながら、向かった手術などがありました。自分が仮死状態になって、あれ程のPTSDを心に負うと分かっていながら、何を考えてその手術に向かったのかと考えると、わたしは恐らく、状況を甘く見ていたのだと思います。
また、甘く見ていたことを、実際に障害として残るほどの事故に繋がり、自身はその後、手伝ってくれた姑と主人に、大変に苛められることが続きました。どんどん悪いことが重なっていき、そこでわたしは霊能者を訪ねました。

霊能者は、色々なアドバイスや、お札などを書いてくれる人もいれば、ひとしきり拝んで、これで大丈夫だと言い切る人もいました。
けれど、現実は何一つ変わらず、わたしは結果的に、冷静に物事を分析し、色々なところから色々なモノを計りだすまでに、沢山のお金を費やしました。

直感の怖いところは、結局直感の当たり方が、他人を救ったことであれば、それ程メンタルを病まないのですが、直感の当たり方が自分に向いて、自分はそれを甘く見ていたとしたら、当たった後に、不安感を招き、大変に辛い思いをします。直感は、色々な種類がありますが、特に辛いのは、身内を失うこと、自身が大変な目に遭うことが、なんとなくでも分かったからこそ、あの日の直感を無視した自分に、弁護士を立てたいと考えるのです。

右脳では、大地震になんとなく気づき、周囲に馬鹿にされても「沢山買いだめした主婦」の例が載っています。彼女はその後、ほんの少しの余震でも、情緒不安になり、焦燥感にさいなまれ、その度に「風呂に沢山水を溜める」癖ができました。
幾ら、こちらが大丈夫だと告げても、その方は納得することはなく、自身の見た夢がドンドン不安を重ねていく中で、夢の意味を知りたくて、病的なほど、尋ねる生活が続きました。
同様に、パニック以上になった主婦もいました。それ以上に情緒不安定だと、やはり病院へ行っていただきたいので、わたしはそこまではフォローできない旨を伝えました。

人間は誰しもが、大きな何かが接近した際には、生理的な危機感を得ます。
それが、実際に起これば、起こったことでメンタルを病み、起こった後は、様々なPTSDを心に抱えます。

それ故、直感が凄く怖いところは、その不安感を強迫概念にもたらすこと、また、PTSDのあまり、心のよりどころを失うことなのではないでしょうか。

ちなみに、わたしも、自身のことでも、身内のことでも、大変にメンタルを病みました。しかし、最近では、起こるべくして起こることに関して、無理に除けようと思う心が良くないのだと思うようになりました。
もし、自分が助けられれば、あんなことはなかったのにと思う思いを捨てることにしました。それは、「運命」と呼ばれる摩訶不思議な状態を幾つも見てきたからです。

あなたも、直感のもたらす恩恵がいつもプラス方向ではなく、マイナス方向でしょう。

マイナス方向の直感は、いつも大声です。だから気づきやすいのです。プラス方向を受け取りたいと思っても、大声に気を取られたら、結局は小さな声のプラスに気付くことはありません。直感は、プラスもマイナスも、平等に与えてくれます。ただ、あなたの不安感や恐怖感で、マイナスばかり受け取るのと、マイナスは、人体に対して生理的危機感である為に、余計に受け取りやすいのでしょう。

ところで、直感と言えば、働く母には、一種独特の勘がありまして、今日はなんだか、学校に呼ばれそうだとか、嫌な予感がします。そうなると、大体必ず、子供は学校で熱が出たとか、怪我をした等の事故が起きて、結局は学校に出向くなり、色々手配しなくてはならないことが多くなります。
プロジェクトの進行が一番の大事なところに限って、こんな状態が起きることが多いのですが、これは逆に、自身のプロジェクト進行を気にしすぎて、大事な子供の健康管理まで手が回らなかった為です。
プロジェクトを進行させようとしたら、そこまで行ってこその兼業主婦です。しかし、予期せぬ、ノロウイルス等もあり読めない展開は多いのですが、そこまで来ると、「運命」を感じることがあると思います。

それでは、直感にて得た「あの不安感」をどうしたらいいのか。不安が強迫概念に繋がり、ついに、心療内科の門をくぐらざるを得なくなった方々にお伝えしたいことがあります。

直感や予感で得たことを他人に話してはいけません。また、直感や予感で当たったことがあったら、家族ぐらいで話を止めておきなさい。そして、不安感が強迫概念に繋がらない様に、いつも、得た直感に対して、「真摯」にことに当たりなさい。

真摯に「こと」に当たるということは、あなたが知り得た予感や直感の被害が、最小限に済むように、準備をしていただくことをお勧めします。結局は、「運命」がことの大きさを司るのであれば、あなたにできること、わたしにできることは、与えられた直感に対して、いつも「覚悟」を決めることが大事なのだと思います。

そして、あなたに直感があることに、「覚悟」を決めて欲しいと思います。



第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい
マルコム・グラッドウェル
光文社
2006-02-23